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英語がペラペラになる3つの方法【英語を歴史から考察する】

「英語がペラペラになったら格好良いなあ」
「海外でネイティブと仕事がしたいなあ」

英会話を学んでいるなら「英語ペラペラ」に憧れる気持ちはありますよね。実は英語がうまくなるには、英語圏の人々が持つ感覚になることが重要です。
今回は「英語の感覚をインストールする」について詳しく解説します。

  • 英語圏の国民性と日本の国民性
  • 英語はテリトリーを意識する言語
  • 日本語の能力を上げる
  • リスニングを難しくしているのはリンキングサウンド
  • 訓練方法は三つ

英語圏の国民性と日本の国民性

全ての国には、「国民性」というものが存在しています。日本でいえば「県民性」がわかりやすいですね。
大阪の女性はおしゃべりで勝気、沖縄の女性はおおらかで明るいという風に、県ごとの性格の傾向が存在しています。
他にも雪国の人は寒くて話せないから「無口」というのもありますね。

その「土地ごとの傾向」というのは「話す言語」とリンクしているというのです。
それでは、土地による性格の違いは、いったい何から生まれるのでしょう?

和辻哲郎さんという方が、自然環境である「風土」が人間の精神構造の中に刻みこまれていると提唱しました。
彼はモンスーン型、牧場型、砂漠型という三つのタイプに別れて考察しています。
出典:和辻哲郎「風土」

モンスーン型

インドなどの国があてはまります。自然が脅威となる場所です。
大雨、暴風、洪水など、さまざまな自然災害が起こり、病気も多く、自然の猛威に耐えるしかない風土です。
インドなどのの地域における宗教では、目指すところが、「解脱する(生まれ変わらなくなる)」になります。

牧場型

ヨーロッパなどがあてはまります。豊かな自然の中で、ゆとりのある生活がある風土です。
ギリシャ神話に代表されるように、この土地の神話に出て来る神は、のんびりしている神様が多いです。

砂漠型

「中近東」があてはまります。
人は砂漠では「生きていくのが精一杯」な状態です。つまり砂漠地方では、とにかく人々の統率を取ることが一番優先されることでした。

参照:和辻哲郎「風土」

日本の場合

ところが日本は例外で、「このタイプの全てが含まれている」状態です。
そういったことから、日本は「何でも受け入れる」という国民性がある国家なのです。そして「八百万の神」という考え方があります。全てのものには神が宿っていると考えて敬うのです。
こうした思想が、言語にも表れているのでしょう。

英語はテリトリーを意識する言語

英語は日本語と違って「人間中心」の言語です。ですから必ず、SVの構造になります。責任の所在を明らかにすることが大事になるのです。
例えば、takeとbringについて考えてみます。この二つの使い分けはなかなか難しいんです!
家にいて、明日の支度をしているとイメージしてください。そして「あ、あのタオルも持っていかなきゃ」と言ってタオルを取っているシーンをイメージしてみて下さい。

この「持っていく!」は、英語で何て言いますか?
ここでやってしまいがちなのが、

I'll have to take my towel.

ですね。
I’ll have to take my towel.
と言ってしまうと、
「あぁ、明日持って帰らなきゃ」という意味になってしまいます。

正しくは、
I’ll have to bring my towel.
なのです。
こんな風になってしまうのは、

take:取る
bring:持ってくる

と切り取った単語の翻訳を覚えてしまっているからなのです。
takeとbringは、この「イメージ」を持つのが良いかと思います。

  • 基準となるテリトリーから持ち出す場合はtake
  • 基準となるテリトリーへ持ち込む場合はbring

自分と相手のテリトリー(境界)を明確にして、
「これは誰のものなのか?」
「この責任は誰にあるのか?」
こんな風に自分のテリトリー内なのか、外なのかを明確にさせようとします。
英語とはテリトリーを明確にしたがるのです。日本人はといえば、島国で「侵略」の歴史もありません。そういった背景のせいか、日本語にはあまりテリトリー意識はありません。

そこで難しさがうまれます。テリトリーの感覚が無い日本人が、テリトリーの感覚を持っている人たちの英語を話すのです。
ただ文法を学んで、1:1対応させて覚えていると、「take」と「bring」や「go」と「come」が出て来て、間違いが起こりやすいのです。
文法や単語だけでなく、歴史から言語を考えると、その民族の性格が分かり面白いです。

日本語の能力を上げる

英語を上達させるには、日本語の能力を上げることが大事です。
あれ?と思いますか。
これ本当のことなんです。

日本語 → 日本語

この訓練をしていくことが、英語の能力を向上させることに繋がるのです。特に意識したいことが二つです。
なるべく受動態を使わない
なるべく否定形を使わない

私はお金がない。
→0のお金を持っている。
I have no money.
彼の大きな声に邪魔された。
→彼の大きな声は私を邪魔する。
His noise disturb me.
彼はそのニュースを聞いて驚いた。
→そのニュースは彼を驚かせた。
The news surprised him.
自転車を修理してもらいました。
→私は修理した自転車を持っています。
I had my bicycle repaired.

このように、日本語と英語は構成が違っているのです。日本語を英語のように置き換える訓練をすることで、英語力がアップしていくのです。

リスニングを難しくしているのはリエゾン(リンキング)

日本人が「英語が聞取れない」と感じるのは、決してはやく喋っているわけではなく、リンクしたリーディングをしているからです。

これを「リエゾン(リンキング)」と言います。さらに、英語は強→弱と発音されるので、はやく感じてしまうのです。
例えば、

have a→「ハヴァ」
with in→「ウィズィン」
in India →「イニィディア」

と発音されます。
日本語でもありますよね。

「体育(たいいく)」→たいく
「弟(おとうと)」→おとーと

書き言葉と実際の読み方は読みやすいように、変えているというわけです。
>>【音声あり】英語のリエゾン(リンキング)と音の変化。ルールと発音方法

訓練方法は三つ

英語を上達させるには「英語の感覚をインストール」することが大事です。
毎日文法やアウトプットなどの語学の学習だけをやっているよりも、その人たちの価値観がどのように形成されているのか? を見ていくことが面白いし、近道だったりします。
そして、感覚を学びつつ実際に英語力を伸ばすのに必要なのは「インプット」&「アウトプット」です。
その中でもオススメは下記の三つ。

  • ディクテーション
  • 音読
  • シャドウイング

ディクテーション

ディクテーションとは英語の音声を聞いて、書き取りをする訓練です。これはカランメソッドでも使われている訓練で、リスニングを伸ばします。
日本人が聞き落としやすいのがやはり強弱をつけた「弱」の前置詞に代表されるものです。カランメソッドの訓練を通して、リスリングをブラッシュアップしましょう。

音読

音読とは、「目」と「耳」と「口」の三つを使ってする訓練です。この三つを使うことで、記憶が定着しやすくなります。
テスト勉強でも「音読」勧められた記憶があります。

シャドウイング

音声を聞きながら、まさに影のようにリピートしながら後追い音読をすることです。リスニングとスピーキング両方の力を訓練します。
YouTubeにもたくさん「シャドウイング」の材料があるので、あったものを選びましょう。

「英語」を学ぶと言っても、「単語を全部覚えちゃう」なんて力技ではなくて、感覚をインストールするスタイルで取り組むことをオススメしたいと思います。
例えば、学生の頃「可愛い子のグループ」に入った子は、だんだん可愛くなってくるという現象があったりしませんでしたか? それは近くで「可愛い子」を観察することで「感覚」がインストールされてきたからです。
英語も歴史から知ることで、感覚をインストールし、さらに訓練を繰り返すことでしっかり伸ばしていきましょう。

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